要旨
待望の第一子を予定日直前に亡くし死産されたご夫婦がそのときの経過、悲痛な思い、死産後の日々、医療者へ望むことを丁寧につづった体験談。出産に関わった助産師長と次の出産に向け相談を受けた産科医を交えた座談会も収録。マニュアル化できない周産期のグリーフケアを両親のナラティブから学ぶ。
目次
- 第1章 悲しみをこえた先にあるもの(井上文子)(妊娠中のこと
- 赤ちゃんの死を告げられたとき、その直後の状態 ほか)
- 第2章 死産が深めた家族の絆(井上修一)(妊娠中のこと
- 赤ちゃんの死を告げられたとき ほか)
- 第3章 井上さんとの出会いで学び変化したこと(長谷川充子)(井上さんからの手紙
- これまでのケアを省みる ほか)
- 第4章 “座談会”和音ちゃんのお産から学ぶ―患者・家族の思い 医療者がすべきこと(医療者と患者の関係作りについて
- 関わり方とケアについて ほか)
- 第5章 「赤ちゃんの死」が教えてくれたこと(竹内正人)(「赤ちゃんの死」の視点との出遭い
- 「赤ちゃんの死」の視点を伝えたい ほか)
著者紹介
- 竹内 正人
- 1961年生まれ。日本医科大学卒業。米国ロマリンダ大学、日本医科大学大学院を経て、葛飾赤十字産院勤務(1994〜2005年)。2006年12月、生から死までホーリスティックに人に関わりたいという思いを実現すべく、東峯ラウンジクリニック・ヒューマナイズドケアセンターを東京都江東区に開設し、代表を務める。また、JICA(国際協力機構)母子保健専門家として、ベトナム、アルメニア、ニカラグア、パレスチナ、マダガスカルの母子医療に関わるなど、地域・国をこえてさまざまな取り組みに携わりながら、現場からの情報や思いを積極的に社会へ発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 井上 文子
- 10歳のときに風邪から腎臓病を患い、入院中にテレビで観たマザーテレサに感銘を受け、「いつか人の役に立ちたい」と福祉の道を志す。東洋大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士前期課程修了。1994年より財団法人がんの子供を守る会にてソーシャルワーカーとして勤務。産休に入るまで勤務するが、2005年7月26日に長女・和音を39週5日目で死産する。その後、仕事を退職。2007年7月に長男・天凱を出産(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 井上 修一
- 1972年生まれ、山形県出身。東洋大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程修了。社会福祉学博士・社会福祉士。2006年から大妻女子大学人間関係学部専任講師。近年は特別養護老人ホームにおける入居者と家族の家族関係支援をテーマに、福祉領域の当事者と家族のケアに関心をもち、現場との共同研究をすすめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 長谷川 充子
- 信州大学助産婦学校卒業、飯田女子短期大学卒業。助産師として、助産業務、新生児訪問、妊産婦指導で地域医療に携わる。1995年から湘南鎌倉総合病院に勤務。1999年、同院産婦人科助産師長。2006年にグループ病院の湘南厚木病院産婦人科の立ち上げに関わり、2009年から両院の師長を兼務。新しい生命の誕生のサポートや、さまざまな人生ドラマに関わることで、子どもたちに「命の大切さ」「無駄な命はないこと」を伝える責務があると感じ、中学生から大学生を対象にした「命の授業」にも取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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