要旨
信頼社会から、新しい安心社会へ?ネットオークションの仮想世界に見る近未来の姿と、山岸俊男「信頼の構造」理論の新たな展開。
目次
- 第1章 安心社会と信頼社会(安心と信頼
- 針千本マシン
- 針千本マシンとしての社会制度
- 集団主義的秩序
- 集団主義的秩序のコスト
- 個人主義的秩序
- 信頼の二つの役割
- 安心の日本、信頼のアメリカ
- 日本社会が直面する機会費用の増大
- 集団主義と内向きの倫理
- 統治の倫理と市場の倫理
- 信頼を支える社会的知性)
- 第2章 歴史からの教訓(マグリブ商人
- 株仲間
- マグリブからジェノヴァへ)
- 第3章 実験研究からの教訓(ネット上での不正取引
- マグリブ商人とネットオークションにおける評判の役割
- ポジティブな評判とネガティブな評判
- ネットオークションの実験
- 第1実験
- 再参入可能な市場
- 再参入可能な市場でのポジティブな評判とネガティブな評判
- 第2実験(インターネット実験)
- オークションの手続き
- 第1実験結果の再確認
- 正直な売り手と不正直な売り手、どちらがより大きな利益を得たか?
- 評判の「追い出し:機能と「呼び込み」機能)
- 第4章 評価と評判(評判とは
- 評価者の能力
- メタ評価とピアレビュー
- 評価基準のずれ
- 評価のインセンティブ
- ネット上の詐欺行為と評判システム
- 電子商取引に際しての評判の役割
- ネット社会における騙しの氾濫
- ネット社会における評判システムの種類と特徴
- 評判システムの具体例
- 評判情報の抽出
- ネット社会に要求される評判システム)
- 第5章 開かれた安心社会へ向けて?(「安心、安全」を求めて
- 日本と中国での信頼ゲーム実験
- 信頼を伝える
- 関係形成はの投資としての信頼行動
- カバマダラとメスアカムラサキ
- 社会装置としての社会的知性
- 人は他人の表情をどこまで見抜けるか
- 完全暴露原理
- ユビキタス評判社会
- 開かれた安心社会?)
著者紹介
- 山岸 俊男
- 北海道大学大学院文学研究科教授。同大学社会科学実験研究センター長。専門は社会心理学。1948年生まれ。一橋大学社会学部、同大学大学院を経て、80年ワシントン大学・社会学博士。北海道大学助教授、ワシントン大学助教授を経て、現職。2004年、紫綬褒章受章。日本学術会議会員。おもな著書に、『信頼の構造』(東京大学出版会、日経・経済図書文化賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 吉開 範章
- 日本大学理工学部数学科教授。専門は情報ネットワーク理論、情報社会学。1954年生まれ。熊本大学大学院工学研究科修士課程修了。東京工業大学・工学博士。日本電信電話公社(現NTT)・電気通信研究所、NTTサービスインテグレーション基盤研究所主幹研究員等を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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