要旨
ハワイ人はかつて星を頼りに何千キロも自在に航海する「海の人」だった。600年前に途絶えてしまったそのハワイの遠洋航海をいまに復活させ、先祖ゆかりの地・タヒチへの4000kmを双胴のカヌーで航海したハワイの魂の回復のプロジェクト。伝統航海士としてリーダーとなった男が語る地球のあり方、人が人として生きていくための勇気、そして、子どもたちに託したいこと…。
目次
- 静かな怒り
- 海を愛すること
- 運命の瞬間
- ホクレアの進水式
- 長い航海の始まり
- 夢の実現へ
- マウとのめぐり逢い
- マウから学んだこと
- クリンギット族がくれたもの
- 本当の航海
- ハワイロアの製作
- 子どもたちへの教育
- 伝統を呼び覚ます
- 希望への航海
著者紹介
- トンプソン,ナイノア
- 外洋カヌー航海士。1953年、ハワイ生まれ。先住ハワイ人の血を受け継ぎ、幼い頃より海に親しみ、カヌー・クラブに所属。1976年、ハーブ・カネらの提唱する、古来の航海術によって、ハワイ人のルーツといわれるタヒチへ向けて、4000kmもの航海を再現させる「ポリネシア航海協会」のプロジェクトに参加。その後、ミクロネシアの伝統航海士マウ・ピアイルグに師事。近代機器を使わず、星や波や風などを頼りに遠洋航海するという、想像を絶する試練の中、つねに勇気と誇りをもって立ち向かう、航海士としてリーダー的存在となる。ハワイ人の伝統文化とアイデンティティーをとり戻すために幅広く活動し、ことに子どもたちへ文化を継承することに力を注いでいる。ポリネシア航海協会代表、カメハメハ・スクール理事長。日本では、映画「地球交響曲第三番」(龍村仁監督)や星川淳著『星の航海師』でそのスケールの大きい航海が紹介されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 山内 美郷
- エッセイスト。神奈川県逗子市生まれ。1981年、雑誌『クロワッサン』にエッセイ「父の恋人」を発表したのを機に、エッセイストとして、雑誌、単行本などで活動。また、テレビキャスター、各種フォーラムの司会や講演会などでもその仕事ぶりには定評がある。1990年より、財団法人ユニベール財団評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- コスタ,モンティ
- 写真家。ハワイ生まれ。ドキュメンタリー写真家として、書籍や新聞、雑誌に多くの作品を発表し、数々の賞を受賞している。海の環境問題とハワイの伝統文化に関心が深く、この分野の撮影に顕著な実績をもつ。ことに1987年より、ポリネシア航海協会の活動に深くかかわり、ホクレア号、ハワイロア号の航海をドキュメントする写真を撮りつづける。また、マルケサス、マーシャル諸島、フィジー、タヒチなどの海を広く旅して、作品におさめている。そのほか自然界を対象とした仕事が多く、それらの作品は環太平洋、ヨーロッパ、アジアの各国・各地域の博物館・美術館に展示されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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