要旨
精神分析と乳幼児精神保健のフロンティア、R.エムディの主要業績を一冊に纏めたセレクション。子どもたちが持つ多様化・複雑化した問題の本質を考える上での、有効な知見と臨床的発達論。
目次
- 乳幼児精神保健に潜在する力―学会のテーマと道徳性発達
- 甘え、親密性、および早期の道徳的自己
- 終わりある発達と終わりなき発達1―乳幼児期からの生得的、動機づけ的要因
- 終わりある発達と終わりなき発達2―最近の精神分析的理論と治療的考察
- 精神分析理論のための肯定的情緒―乳幼児研究からの驚くべき事実と新たな方向性
- 情動的自己:乳幼児期からの連続性と変容
- 前進へ向けて―発達と精神分析に対する情動過程の統合的影響
- 発達の基本的様式の動員―共感的な応答性と治療的行為
- 情緒応答性の研究における次のステップ
著者紹介
- エムディ,ロバート
- 現在コロラド大学医学部精神科名誉教授。以下の分野で300以上の論文を出版:早期の社会的情緒的発達、睡眠研究、乳幼児精神保健、診断分類、早期のモラル発達、乳幼児期の早期介入評価、精神分析、行動遺伝学、研究指導法。ダートマス大学卒業後、コロンビア医科大学を卒業(M.D.1960)し、コロラド大学医学部で精神科と精神分析研修を終了した。その後同大学で教鞭をとる。4カ所の国際多職種研究組織の長を務め、3か所の学術雑誌編集長、副編集長を歴任した。人生早期の発達研究プログラムについて、大勢の研究者やNIH常勤科学者を指導し、膨大な博士号取得者と科学賞受賞者を輩出し、そのほとんどは現在大学の要職で活躍している。米国外では世界23カ国で講演し、世界乳幼児精神保健学会賞、米国精神分析学会賞、コロラド州精神医学協会賞、コロラド州乳幼児精神保健学会賞を受賞。また世界乳幼児精神保健学会名誉会長、フランクフルトのジグムント・フロイト研究所名誉会員、およびエリクソン研究所より人文名誉博士号を授与された。定年後は悠々自適の生活を送りつつ、執筆、講演を行い、語学会理事会顧問を務め、コロラド公衆衛生院アメリカインディアン・アラスカ土着民族センターで、早期幼児期介入プロジェクトを指導する。また発達生物学、乳幼児精神保健、精神分析の研究者の指導も行う。現在は国際精神分析協会リサーチ訓練プログラム部の副部長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 中久喜 雅文
- 1930年生まれ。東京大学医学部卒。医学博士。精神科専門医指導医。コロラド大学精神科レジデント終了、東京大学医学部講師、東大病院精神科病棟医長、コロラド大学精神科臨床助教授、聖マリアンナ医科大学客員教授を経て、現在東京サイコセラピーセンター所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 高橋 豊
- 1948年生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業。日本大学大学院博士前期課程修了、人間科学修士。臨床心理士。精神保健福祉士。中央大学法学部兼任講師、更正保護法人飛鳥病院心理室長を経て、現在児玉教育研究所所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 生地 新
- 1981年山形大学医学部卒業。1986年山形大学大学院医学研究科博士課程修了。山形大学医学部附属病院講師、日本女子大学人間社会学部助教授、北里大学大学院医療系研究科教授を経て、2014年4月より北里大学附属臨床心理相談センター長(兼任)。精神科専門医指導医、日本精神分析学会認定精神療法医スーパーバイザー、日本児童青年期精神医学会認定医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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